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中国のワクチン外交と途上国
―― 信頼とソフトパワーにつながるか

ヤンゾン・ファン 外交問題評議会 シニアフェロー(グローバルヘルス担当)

Vaccine Diplomacy Is Paying Off for China
Beijing Hasn’t Won the Soft-Power Stakes, but It Has an Early Lead

Yanzhong Huang 米外交問題評議会グローバルヘルス担当シニアフェロー。シートン・ホール大学外交国際関係学部教授、同大学グローバルヘルス研究センター所長。フォーリン・アフェアーズでは、「コロナウイルスと陰謀論―― 感染症危機と米中対立」(2020年4月号)、「なぜ世界はパンデミックに敗れたのか―― 国際協調を阻んだナショナリズムと保護主義」(2021年3月号)などを発表している。

2021年4月号掲載論文

すでに北京は69カ国に無償でワクチンを提供し、この他にも28カ国にワクチンを商業輸出している。この「ワクチン外交」は中国のソフトパワー強化につながるだろうか。チリ、カンボジア、ペルー、セルビア、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、トルコ、ジンバブエ、セイシェルなど多くの国の首脳は、中国製ワクチンの最初の予防接種を個人的あるいは公的に歓迎している。但し、ワクチン外交をめぐってはロシアやインドとの競争も激化している。いまやアメリカも、安全で効果的ワクチンの公平な流通に向けたグローバルな競争に参入しつつある。しかも中国ワクチンには有効性や透明性をめぐってはっきりしない部分もある。・・・

  • 影響力拡大のツール
  • ワクチン外交
  • 世界を引き継ぐ
  • 懸念と競争
  • アメリカの復活

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